日本には、相手を尊重する気持ちを言葉にのせる敬語という風習があります。相手の立場を配慮するためや、気持ちの良い交流を図るための言葉遣いが敬語です。
日本人にとって敬語は、より良い関係を築くためのコミュニケーションに欠かせない言葉遣いなのです。
しかし、一方で敬語を使っていると一定の距離を感じるも事実です。親しい間柄であればあるほど、敬語を使われることや、自分の敬語が抜けないことに違和感を感じる人も多いでしょう。
なかでもカップルは、お互いをどう思っているかが特に気になる関係です。敬語になってしまっていると、仲が深まっていないのでは?と気になってしまう人も多いはずです。
尊重する気持ちを表す一方、距離を感じさせてしまう敬語を、カップルが使うのは果たして変なことなのでしょうか?今回はカップル間での敬語について考察していきます。
カップルなのに敬語はおかしい?
付き合う前から敬語なら普通のこと
カップル同士で敬語が抜けないことを気にしているのなら、まずは付き合う前のことを思い出してみてください。付き合う前から敬語を使っていたでしょうか?
付き合う前から敬語なら、カップル同士で敬語を使っていてもおかしなことではありません。
私たちが敬語を使うときというのは、相手が年上のときが多いです。恋人が年上の場合、付き合う前、少なくとも出会いたての頃は、敬語を使っていたでしょう。
相手が年上の場合、ほとんどの人が当たり前のように敬語を使い、自ら敬語をやめようとは考えません。言葉遣いというのは定着するため、意識しなければ敬語を使うのが普通になります。
そのため、たとえカップルになったとしてもそのまま敬語のこともあります。付き合う前から敬語ならカップルであっても敬語を使うことは普通のことなのです。
何も言ってこない男性は特に気にしていない
敬語を使う関係だからといって、関係が深まらないわけではありません。敬語を使われることに対して、距離があるように感じることはあっても、不快に思う人はいないからです。
もし距離を感じるから敬語をやめてほしいと思っているなら、言ってくるはずです。敬語をやめてほしいというのは、言う側にとっても言われる側にとっても、悪いことではないからです。
そのため、男性が敬語に対して何も言ってこないということは、特に気にしていないということです。むしろ礼儀正しいと思っているのかもしれません。
敬語を使っているからといってマイナスな印象を持たれることは基本的にはありません。特に男性は女性の謙虚さや上品さに魅力を感じるため、敬語を使う女性は良い印象の方が強いはずです。
敬語を使っていることに対して、彼が何も言ってこないのであれば、敬語に関しては気にする必要はないと言っていいでしょう。
彼の上司の前などは敬語の方がむしろ良い
相手が自分にとってどんな人であるかに限らず、敬語の方が好まれるシチュエーションというのもあります。敬語は公私のけじめをつけるという点でも大きな意味を持つからです。
たとえばビジネスの場では、年齢や立場に関わらず敬語を使うのがマナーです。ビジネスの場でなかったとしても、仕事の関係者がいる席では敬語を使うのが常識です。
また、恋人の印象というのは自分の評価にも大きく影響します。どんなに礼儀正しい人間であっても、恋人関係にある人が無礼であれば、印象が悪くなってしまいます。
時と場合によっては、彼に対しても敬語の方が好まれるシチュエーションもあるのです。
特に彼の上司の前など自分たち以外の人がいる場では、彼に対しても敬語の方がむしろ好ましいです。恋人として敬語を使える礼儀正しい女性という印象を与えることは、彼の評価にも響くからです。
敬語を使うべきか否かの判断は、相手が誰かだけでなく、その場の状況も踏まえることが大切なのです。
敬語からタメ語に変えたいときは?
不意なタメ語から始める
タメ語に変えるときはできるだけ自然な流れがあった方が、お互い変に意識せずに済みます。テンションが上がっているときに、不意なタメ語から始めるといいでしょう。
テンションが上がっているときというのは、タメ語が出やすい状況です。その勢いを借りてそのままタメ語を使えば、自然な流れで相手も違和感を感じないはずです。
たとえばテレビや映画を観て盛り上がっているときや、遊園地などテンションが上がる場所にいるときなどがいいでしょう。
テンションが上がっていて、楽しい雰囲気のときなら、距離がグッと縮まってタメ語が良い雰囲気を作り出してくれるはずです。タメ語にしたことがプラスに働くはずです。
一度タメ語で話すことがプラスに働けば、今後自然とタメ語で話すことが定着していくでしょう。
リアクションをタメ語に変える
敬語からタメ語に変えたいときは、リアクションをタメ語に変えるのもおすすめです。リアクションの方が、自分が何か話すよりも短くて済むため、気軽にできるからです。
特にどうやってタメ語で話せばいいか悩んでしまう人は、まずは「はい」から「うん」にリアクションを変えてみましょう。
どんなことでも最初から完璧にやり遂げるのは難しいです。少しずつ段階をおって、自分にもできるという自信をつけていくことが、結果を出すためには一番着実な方法です。
敬語からタメ語に変える場合も、いきなり会話をタメ語に変えるのはリスクが伴います。変な言い方になってしまったり、空気が変わってしまったりすることもあるでしょう。
しかし、リアクションなら短くて済むため簡単にできるはずです。相手も違和感を感じることも少ないでしょう。
敬語からタメ語に変えるとき、自信がない人はまずリアクションから変えてみてください。リアクションに慣れてきたら、少しずつ自分で話すときもタメ語に変えていきましょう。
共通の友人に指摘してもらう
自分から積極的にタメ語に変えることができない場合は、周囲の協力を得て変えやすい環境を作ってもらうのも手です。共通の友人に協力してもらうといいでしょう。
あらかじめ共通の友達に根回しをしておき、一緒にいるときに「いつまで敬語で話してんの~」と突っ込みを入れてもらうのです。
一緒にいるときに指摘してもらうことで、タメ語に変えることに対する彼の反応を見ることができます。「タメ語で良いよ」と彼の方から言ってくれるかもしれません。
2人のことを良く知っている共通の友人なら頼みやすく、指摘されたことで彼が気を悪くする可能性も低いでしょう。
共通の友達に指摘してもらう方法なら、タメ語に変えるきっかけになり、事前に彼の反応を確認することもできます。タメ語に変えることに対して彼がどう思うかが心配な人には特におすすめです。
「敬語やめてもいいかな?」と直接聞く
敬語からタメ語に変えたいなら、時間をかけて策を練るよりも、敬語辞めてもいいか直接聞くのが一番早いです。彼に直接聞けば間違いないため、自信を持ってタメ語に変えられるでしょう。
遠回しに彼の様子を伺ったり、タイミングを見計らったりしていると、すれ違いや勘違いのリスクが出てきます。不審に思われたり、気分を害させてしまったりする可能性も0ではありません。
カップルは思ったことを言える仲でいることが一番であり、正直に伝えられるなら伝えた方が良いのです。あなたが好きなら彼もちゃんと答えてくれるでしょう。
お互いに思っていることを伝え、話し合うことで、2人の絆を深まっていきます。遠回しに伝えたり、察してもらえるように動いたりするのは、どうしても直接伝えて話し合えないときの手段です。
余計な気を遣わなくて済むようにするためにも、「敬語やめてもいいかな?」と直接聞けることがベストなのです。
敬語は時間とともにタメ語に変えていく
敬語を使うことは本来、懸念することではなく、使う人間のイメージを下げるようなことは決してありません。そのため、カップルなのに敬語は変では?と必要以上に気にすることはないのです。
最初から敬語なら、そのまま敬語でも問題はありません。敬語を使うことでむしろ良い印象を与えていることも多いです。また、状況によってはカップルでも敬語の方が好ましい場合もあります。
ただ、恋人ともっと距離を縮めたいと思うのなら、少しずつ敬語からタメ語に変えていきましょう。焦らず力まず自分のペースで変えていけば良いのです。
きっと距離を縮めようと敬語からタメ語に変えようとしているあなたを見て、彼も喜んでくれるはずです。