「人間みんな完璧ではない」と言い聞かせる
上司という立場は、なんでもできて当たり前な存在だと思っていないでしょうか。『上司』というだけで自然とハードルが高くなっているのかもしれません。
しかし上司だって人間です。必ずしも完璧なわけではないのです。上司としても、まだ成長しているところなのでしょう。
自分に置き換えて考えてみてください。あなたは部下として、完璧でないところもあるはずです。それでも毎日一生懸命に仕事をこなしていますよね。
きっと上司の人も完璧ではないからこそ、毎日一生懸命なのです。あなたが勝手に『上司はこうあるべき』というものを作り上げてはいけません。
もう少し相手に寄り添い、寛大な気持ちで受け入れましょう。それだけでも嫌なところが目立たなくなってくるはずです。
『上司も人間なので完璧ではない』
『上司だって自分の立場を必死で全うしている』
『上司にばかり求めてはいけない』
このように考え方を少し変えてみてくださいね。
相手と自分はまったく違う生き物だと考える
自分の家族や恋人には、同じ考えや価値観を求めるものです。同じ物差しで、同じように物事を測ろうとしますよね。
しかし上司は家族でも恋人でもないので、同じ考えや価値観を求める相手ではありません。むしろ違うのが当然のことなのです。
そこで上司と自分は、まったく違う生き物だと考えましょう。持っている物差しが違うと思えば、嫌いな気持ちも和らいでくるはずです。
極端な言い方をすると、人間は人間以外の動物に対して『嫌い』という感情を持ちません。犬や猫が苦手という人もいますが、特定して嫌いだと感じることはないものです。
それは相手が動物であり、自分とは違う生き物だと認識しているからでしょう。そもそもの土俵が異なるので、嫌いという感情が起こらないのです。
上司も同じように、自分とは違う人種であると思い込んでください。それだけで見方が変わり、自分とは一線を引くことができるようになるでしょう。
反面教師と捉えて感謝する
上司の中には、どう考えても間違っているという人もいますよね。『上司として』『人として』あり得ないような言動をしている人もいるでしょう。
そのような人を嫌いになってしまうのは仕方のないことです。尊敬もできず、学ぶこともなく、指示されることにも嫌気がさしてきますよね。
そんな時には、上司を反面教師と捉えて逆に感謝するようにしましょう。『こういう人にはならないようにしよう』と思い、悪い例を示してくれる上司に感謝するのです。
反面教師に仕立て上げるため、まずは上司の嫌だと思う部分をピックアップして紙に書き出してみてください。また仕事中に気づいたことがあれば、随時追加していきましょう。
例えば、
- 偉い人にだけヘコヘコする
- 男女での扱いが明らかに異なる
- 言っていることが急に変わる
などといったことです。
あなたが嫌いになった理由や不快な気持ちになる言動を書き留めてください。そしてそれを反面教科書として、自分は同じことをしないと戒めにするのです。
そうすれば、嫌いな上司にも存在価値が出てきます。ダメな部分を先に見せてくれることで、同じ道を歩まないように歯止めをかけてくれるので感謝の思いすら芽生えるのです。
存在を忘れるよう心掛ける
嫌いな人というのは、どうしても目に入りやすい存在です。他の人よりも言動が気になってしまい、ストレスになることも多いでしょう。
そこで自分の中で存在を忘れるようにするのが良いです。『嫌い』という感情すら考えないようにして、『無』の存在にしてください。
そのためには、
- 視野に入れない
- 余計なことは考えない
- 透明人間にする
というように最初は意識して存在を消す努力をします。そうすると段々と自然に気にならないようになるものです。
上司という立場なので、仕事上の話は避けられないでしょう。仕事のことだけと割り切るようにして、存在を忘れるようにしてくださいね。
上司よりも仕事をこなす
上司と部下という関係は、上下関係が明確なので何も言えないことが多いです。また上司からすれば、部下の仕事を把握して管理する必要もあるので口うるさくもなるでしょう。
例えるのであれば、母と子の関係のようなものなのです。母は子の成長に義務と責任もあります。だからこそ放任するわけにはいかないのです。
しかし、子供が成人をして独り立ちすれば義務と責任もほぼなくなります。信頼していれば把握も管理もしなくなり、遠くから見守るだけになるでしょう。
上司も同じように、独り立ちしていない部下を放任するわけにはいきません。部下の成功も失敗も、すべては上司の力量につながるからです。
そこで上司よりも仕事をこなすように努力してみましょう。仕事量や成果をどんどん出していくのです。上司をあっと言わせて信頼させることで、監視下から外れることができます。
また仕事で成果を出し、周囲からも認められることで他部署の人からも目をかけてもらえるでしょう。他の仕事依頼があったり、引き抜きの話まで出るかもしれません。
仕事を上司よりもすることで、上司はあなたに口出しも指図もできなくなるのです。黙らせて距離を置くこともでき、なおかつ評価も上がるというメリットだらけになります
嫌いな上司と接することも仕事の内だと割り切る
仕事とは、お金を稼ぐためにすることです。好きなことだけできるわけでもないですし、好きな人だけがいるわけではありません。
やりたくない仕事を引き受けることも仕事。
関わりたくない人と接するのも仕事。
行きたくない場所に行くのも仕事。
すべては給料に含まれていることです。我慢をして耐えてこそ、給料がもらえるのだと自分に言い聞かせてみてください。
嫌いな上司が同じフロアにいるのは苦痛でしょう。嫌いな上司から指示を受けるなんてストレスでしかないかもしれません。
しかし苦痛もストレスも仕事の一つであり、お金に変わるものなのです。プライベートで付き合う必要はありません。あくまで仕事上の関わりのみです。
勤務中は『給料のため』『生活のため』と割り切るようにしてみてください。
上司を「可哀想な人」だと考える
嫌いという感情は、自分より同等もしくは上の人に対して感じるものです。上司は特に立場も年齢も自分よりも上にいるからこそ、余計に嫌いという感情がわいてしまうのでしょう。
そこで心の中で上司を自分よりも下だと、見下してしまうと見方が変わります。可哀想な人だと、哀れみや同情の気持ちを芽生えさせるのです。
例えば、友人がイライラして暴言を吐いてきたら嫌な気持ちになりますよね。そのまま嫌いになってしまうこともあるはずです。
しかし友人が恋人に振られた直後だと知ったら、どう思うでしょうか。『それなら仕方ない』と許せる心が生まれるはずです。
可哀想だという感情は、自分の器を大きくさせる効果があるということ。だからこそ、あえて上司を可哀想な人にしてしまうのが良いのです。
「この人も家に帰れば奥さんに尻を敷かれて肩身の狭い思いをしているかも」
「家族がいなくて寂しいかも」
「もっと上の人から毎日嫌味や文句を言われているのかも」
このように想像すると、少しくらいの嫌な部分には目をつむることができますよね。仕方ないと広い心で対応することができるでしょう。
実際のことはわかりませんが、自分の中で上司を可哀想な人に仕立てあげてください。そして一方的に同情できる対象にしてみると嫌いな気持ちが薄れていきます。