えこひいきする上司の心理と対策とは?

上司

上司として、誰に対しても平等に評価・対応するのは当然のことです。しかし人によって、えこひいきしていると感じることも多々あります。

上司がえこひいきするような言動をしていると、当人も周囲も良い気持ちにはなりませんよね。業務が進みにくくなるだけでなく、不快な気持ちが増していくばかりでしょう。

  • えこひいきする上司は、なぜ人によって態度を変えるのでしょうか。
  • また気がついたときには、どのように対処していくのが良いのでしょうか。
  • 今回は、えこひいきする上司の心理と対策について紹介します。上司のえこひいきにうんざりしているという人は、ぜひ参考にしてください。

    えこひいきする上司の心理と対策とは?

    えこひいきとは?

    そもそも『えこひいき』とは、どのような言動のことなのかを理解しておきましょう。えこひいきとは、漢字で依怙贔屓と表記します。

    意味は、『自分の気に入ったものだけの肩を持つこと・優遇すること』です。特に肩入れしている理由が不透明で公平でないと判断されることを、えこひいきと呼びます。

    つまり上司がえこひいきするというのは、部下に対して不平等であるということです。同じことをしていても対等に評価されずに、勝手に部下に格差をつけています。

    このようなことを周囲が判断した場合、上司がえこひいきしているという事実が成り立つでしょう。程度の差はあっても、どの職場にもえこひいきは存在することが多いです。

    えこひいきする上司の心理

    部下の性格に応じて対応を変えている

    えこひいきに感じる上司の言動も、実は上司の考えに基づいた計算という可能性もあります。部下によって、性格や順応や能力に差があるのは当然です。

    上司は部下の細かい心理を分析したうえで、『優しさ』と『厳しさ』を使い分けているのでしょう。それが結果として、えこひいきに見えてしまっているのです。

    たとえば、2人の部下に「焦らず自分のペースでやればいいよ」と優しい言葉をかけたとします。同じ助言でも受け取り方は変わるでしょう。

    一方の部下は、信頼されていることで努力を続けます。また自分のペースでいいと言われた安心感から、自分の実力以上のものを出すことができるのです。

    しかし一方の部下は、信頼されていることで怠けてしまいます。自分のペースでいいなら遅くても良いだろうと、実力以下のものしか生み出すことができなくなるのです。

    そうなると、前者の部下には『褒めて伸ばしていこう』と思うでしょう。そして後者の部下には『厳しく育てていこう』と思うのです。

    上司は部下の育て方の適正を考慮して配慮したうえで、アメとムチの大きさや重さや比率を変えています。つまりえこひいきではなく、指導の一環なのです。

    二分法的思考になっている

    えこひいきする上司は、二分法的思考になっている人が多いです。この二分法的思考とは、自分以外の人を常に二分して考えます。自分にとって『味方』か『敵』と二択にして振り分けるのです。

    そして味方だと認識した人には、つい規制も甘くなり優しくなります。敵だと認識した人には、厳しくなり粗を探してしまうのです。

    たとえば、サッカーの試合を思い浮かべてみてください。味方と敵がいて試合をしている状態です。味方が不利になれば、必死に応援をして協力しますよね。

    同じ行為をしていても敵であれば、許せないですし潰しにかかろうとするでしょう。味方をかばい、敵を攻撃するのは当然の心理だといえます。

    これが職場内でも存在するのですから、部下がえこひいきを感じるのは当然でしょう。上司にとって味方だと判断された部下のみ、優しい対応をされるのです。

    中立に考えることができない

    上司にとって、部下という存在は公平でなければなりません。同じような物の考えや見方から対応をしていく必要があるでしょう。

    しかし頭で理解していても、上司も人間なので感情で動いてしまうこともあります。無意識のうちに好意を持つ部下に対して、肩入れをしてしまうのです。

    また、
    『自分の考えと似ている』
    『将来を期待できる』
    『個人的に親しい』
    ということでも、ついえこひいきしてしまうこともあるでしょう。

    これは親でもあることです。兄弟で平等に育てようとしても、『手のかかる弟』『可愛い弟』には、つい優しくしてしまいますよね。

    本能や無意識でえこひいきという感情が動いてしまうのです。多少のことであれば仕方のない範囲なのかもしれません。

    自己防衛のため

    えいこひいきをすることで、上司自身が自己防衛をしていることもあります。また防衛すると同時に自分の評価をあげる狙いまで隠されていることもあるでしょう。

    たとえば、部署に10名の部下がいたとします。たった10名という人数であっても、そこには目に見えないマウンティングのようなものが存在します。

    部下の中でも『優秀』『美男美女』『バックボーンが強い』『役員とコネがある』という人は、トップの位置にいるでしょう。そして何も持っていない人は、マウンティングの最下位に位置します。

    上司にとって、部下のトップをえこひいきすることは自己防衛になるのです。自分を有利で安全な場所へと守る効果があります。

    反対に最下位に位置する部下をえこひいきすると、部署内の反感をかうのです。自分の立場や身に何が起こるかわからないという恐怖すら感じてしまうでしょう。

    そのため、自分にとって優位で有利な状況を作るためにえこひいきをする場合もあるのです。部下に操作されている弱い心理である上司だといえるでしょう。

    心理状態が乱れている

    上司も日々多くの業務を抱えています。その中で上からの圧力や部下への配慮までするのですから、精神的に追い詰められることもあるでしょう。

    そんな錯乱状態の場合、えこひいきをしてしまうことがあります。つい部下に対して、怒りをぶつけたり頼ったりしてしまうのです。そのとき、無意識にそうしやすい部下を選んでいるでしょう。

    怒鳴りやすい・命令しやすいといったような少し意志の弱い部下がいます。また頼りがいのある信頼できる部下もいるでしょう。

    えこひいきしているわけではなく、部下に甘えているのです。心理状態が乱れてしまう場合、このような上司の言動が見られることも多いでしょう。

    公私混同している

    上司と部下の中には、プライベートで仲良くしていることもあります。週末は朝まで飲み、旅行やスポーツを共に楽しむ良好な関係ということもあるでしょう。

    反対に仕事とプライベートを一緒にしたくないので、上司の誘いを断る部下もいますよね。これは上司が強制できることではないので、何も問題ないことです。

    しかし上司からすれば、プライベートで仲良くしている部下が可愛いでしょう。つい肩入れしてしまうのです。

    そして自分の誘いを断ってばかりいる部下は、可愛げがないと感じます。サポートやフォローをする気が起きないのです。

    本来であれば公私混同はあってはならないことでしょう。それでも週末の余韻が月曜からの仕事に尾を引いてしまう上司が多いのも事実なのです。

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