使えない上司の特徴と上手な付き合い方とは?
『理想の上司』は、人によって異なるものです。何をリスペクトするかは、個人差がありますよね。また信頼関係や仕事能力など、上司に求めるものもさまざまでしょう。
一方で『使えない上司』には、共通している特徴があります。使えない上司は誰が見ても使えず、一緒に仕事をしている全員が困ってしまうものです。
自分の上司が理想的な人でないのは仕方ありません。しかし自分の上司が使えないのは、毎日精神的な苦痛となります。
そこで今回は使えない上司に共通している特徴と上手な付き合い方を紹介します。不運にも使えない上司を持ってしまった人は、ぜひ参考にしてください。
【使えない上司の特徴】
私情を仕事に持ち込む
職権乱用という言葉をご存知でしょうか。『地位や職業の権利や権力を目的外のことに使用する』という意味があります。
使えない上司の中には、仕事と私情を混同している人がいます。誰も注意しないのをいいことに、職権乱用しているのです。
昼食をとる時間もない日や、残業を強いられる日。猫の手も借りたいほど忙しい日に、全然仕事を手伝おうとしない上司がいるでしょう。
いったい何をしているのかと様子を見ると、パソコンでネット検索をしているのです。そこで旅行の予約や休日の予定を組んだりしています。完全に私用ですね。
また席にいないと思えば、私用の買い物に出かけることもあります。あからさまに部下の前で家族に電話していることもあるでしょう。
仕事がおろそかになっているどころか、仕事に手をつけていない状態です。それなのに最終的な口出しや指示のみしてくるので、的外れなことも多くなります。
これでは実際に仕事をこなしている人からすれば『使えない上司』のレッテルを貼られて当然です。職権乱用しているのは、使えない上司の大きな特徴です。
自己中心的
上に立ち部下を司る(つかさどる)のが、上司です。上司は、常に部下のことを把握し考慮する必要があります。部下を動かして、最終的な責任を引き受けるのが有能な上司といえるでしょう。
しかし使えない上司は、部下のことを把握も考慮もしていません。だからといって会社や仕事のことを第一に考えているわけでもないのです。
考えているのは、常に自分のことばかり。自分の損得や利害の計算ばかりしています。そのため自己中心的な仕事の進め方しかできないのです。
例えば、新しいプロジェクトのチーム編成を上司が考えるとします。有能な上司であれば、人間関係や能力の差のバランスを考慮して1つのチームを作るでしょう。
そこにはベテランもいれば、若手もいます。初めての経験をさせることで、人材育成もしていく意味が込められているのです。
しかし使えない上司の場合、失敗したくないプロジェクトにはベテランの経験者のみを集めます。そこにはあるのは、自分を保守する気持ちのみです。
プロジェクトを成功させたい気持ちよりも、失敗して上司として評価を下げたくないのでしょう。だから何も考えずにベテランを集結させてしまうのです。
しかし結果として、
- 対立が起きる
- 他の仕事が回らない
- 若手が育たない
というような負の連鎖が起きてしまいます。
最終的に自己中心的な上司は、仕事の司令塔として失格というわけです。これでは無能であり、使えない上司と言われても仕方ないでしょう。
すぐ感情的になる
感情的になることと、感情が豊かなことは異なります。喜怒哀楽がはっきりしていて、大人になっても素直に感情を表現する人は素敵ですよね。
しかし感情的になる人は、感情のコントロールができない人です。本能のままに言動してしまうことで、人を傷つけたりしてしまうこともあるでしょう。
とくに上司に求められるのは、冷静さや落ち着きです。どんな時でも客観的に物事を見据えて判断できる人は、部下にも信頼される上司といえます。
気に入らないからとすぐに怒鳴ったり、イライラをぶつけてくる上司は判断力も乏しいです。また気分にムラがあることが多いので、周囲の人も気を遣います。
例えば、部下が大きなミスをして先方を激怒させてしまったとしましょう。どんな上司であっても、大きなミスに対しては怒りの気持ちが芽生えます。
しかし使える上司の場合、まずは怒りの気持ちに蓋をするのです。そして今行うべき最善の策を会社と部下のために考えます。
『まずは先方に一緒に謝りに行く』
『損失を少しでも減らすよう掛け合う』
『次にミスをしないための改善策を見つける』
基本的には、このようなことです。ミスしたことを感情的に怒っても、物事が良い方向に進まないのを理解しています。だからこそ自分の感情よりも、部下や仕事を優先させるのです。
使えない上司の場合は、怒りの気持ちに蓋ができません。そのため頭に血がのぼると感情をむき出しにして、怒鳴りつけるのです。
これではなんの解決にもならないでしょう。職場内や部下の士気を下げ、仕事も良い方向に進んでいくことはないのです。
常識がない
社会人になるということは、仕事を通じて社会に貢献するということです。単なる自己満足や収入を得るためだけに社会人になるわけではありません。
それなのに社会人のベテランである上司の中には、常識がない人がいます。常識がないということは、基盤がないのですから話が伝わらずに進展しませんよね。
常識がない上司にも、いくつかのパターンがあります。
①一般常識がない
一般常識とは、社会的な価値観や知識や判断力のことです。客観的に見て、当然だと思われる行為のことを差します。
例えば、
- お世話になった人にお礼状を出す
- 言葉遣いや敬語が使えない
- 空気が読めない
- 時事問題や知識に乏しい
ということです。
できて当たり前のことをしない人は、非常識な人となります。上司が非常識であると、何も意見を求めることができません。
②会社の規則が守れていない
会社に勤めるということは、組織の一員になるということです。そこでの就業規則やルールは把握して守る義務があります。
就業規則とは、基本的な就業時間や給与などのことです。働くうえでのルールとして、誰もが従っているものを上司が守れていないのでは本末転倒でしょう。
業務マニュアルとは、業務における順序や方法をルール化したものです。すべてマニュアル通りにする必要はないですが、仕事の基本となるので把握しておく必要があります。
これらを上司が守れていないというのでは、部下は何を基準にしたら良いのかわからないでしょう。
③仕事の基礎ができない
社会人になるときには、多くの人がビジネス基礎を学びます。パソコンの基本的なスキルや電話対応などです。
このような仕事の基礎ができない上司がいます。パソコンもコピーもすべて部下任せ。資料もメールも作れないのです。
これでは「使えない」と言われても仕方がないでしょう。しかし実際に基礎ができない上司は多いものなのです。