好感を持たれて敵を作らない
自己中心的な行動を繰り返しながら、なぜか周りの人から憎まれないちゃっかり者もいます。ちゃっかり得するように立ち回りながらも、きちんと埋め合わせをすることを忘れません。
先ほど例に挙げた、ショッピングモールに出かけた2人の場合で考えてみましょう。友達だけを雨に降らせるようなことをしておきながら友達関係を維持するには、埋め合わせが必要です。
あとでランチをご馳走するなど、目に見える形でお詫びをすることも必要です。また、誠心誠意ねぎらってみせるなど、気持ちの面でフォローすることも忘れてはいけません。
バランス感覚も必要です。いつも友達に頼りっきりでは、そのうち愛想をつかされてしまいます。ショッピングの最中に友達の荷物を持ってあげるなど、友達思いな面を見せることも必要です。
なぜか周りから憎まれないちゃっかりした人は、迷惑をかけた相手に対してさまざまな形でフォローすることを忘れないのです。
また、埋め合わせをすることがいやらしく見えない雰囲気も持っています。人懐っこい性格や人当たりのよさを持ち合わせていて、自己中心的な部分を補っているのです。
たとえば、職場の昼休みに同僚同士でランチに出かけたとします。しかし会計時になって、持ち合わせのお金が足りない人がいました。
「ごめん、ちょっと貸しといてもらえるかな?」
文字だけで見ると自分勝手なお願いにしか見えませんが、憎めないちゃっかり者の頼みはなぜか断れません。ふだんから人当たりがよく、困っていると助けてあげたくなるのです。
ちゃっかりした行動を安易にまねるのはおすすめできませんが、人当たりのよさには学ぶべきところが多いといえるでしょう。
演技がうまい
ちゃっかりした人には、演技がうまいという大きな特徴があります。損をしないように計算しながら立ち回っていると、時に本心を偽って演技をする必要が出てくるからです。
接する人によって態度を変える場合には、特に上手な演技が必要になります。態度を使い分けるために、本音を隠さなければならないからです。
たとえば、職場の男性陣からチヤホヤされている女子社員について考えてみましょう。女子社員は男性陣がチヤホヤしてくれるのに乗じて、いつも何かと頼みを聞いてもらっています。
女子社員は、ジャニーズのとあるアイドルグループの追っかけをしています。ある日、アイドルグループのライブに行くために、会社を定時で帰りたいと考えました。
そこで、いつもチヤホヤしてくれる男性上司に、残った仕事を明日に回す許可をもらおうとします。その際にライブのことは隠して「祖母の具合が悪いのでお見舞いに行きたい」と嘘を言いました。
男性社員に対して、ジャニーズファンであることを隠そうとしているのです。女性同士では好きなアイドルの話をしますが、男性の前ではキャラを使い分けているのです。
上司の前で、祖母の具合を心配する迫真の演技をします。そのおかげで「おばあちゃんのことを心配する優しい女の子」というイメージを持ってもらうことにも成功しました。
ちゃっかりした人は上手に演技をすることで、集団の中での立場をうまく維持していくのです。
節約志向が強い
人間関係ではなく金銭面に特化したちゃっかり者もいます。携帯料金や家賃など、あらゆる支払いを少しでも節約しようと努力している人です。
誰かに迷惑をかけるわけではないので、嫌われることは少ないです。節約家が「ちゃっかりしている」と言われる場合は、むしろ「やりくり上手」のような良いイメージです。
たとえば、友人同士で映画を観に行った場合に、1人だけ割引チケットを持っていたとしましょう。きっと「ちゃっかりしている」と言われるはずですが、悪い意味ではありません。
さらにみんなの分の割引チケットも持ってきていたとしたら、むしろ評価はうなぎのぼりです。ちゃっかりした節約家は、時に周りから頼りにされることもあります。
一方、イメージが悪くなるほど極端な節約家の場合は「ケチ」と言われます。当然支払うべきお金も出し渋るようなイメージです。
たとえばケチな人が友人同士で映画に行く場合は、料金が安くなる日にしか行こうとしません。友人たちの都合などお構いなしに、割引デーにしか行かないと言い張ります。
ケチな人の場合は、節約家であることが人間関係に悪影響を及ぼします。そのため、周囲から嫌われてしまいます。
ちゃっかりしている人への対処法とは?
信じすぎない
ちゃっかりしている人には自分勝手なところがあります。油断していると都合のいいように扱われて、振り回されてしまいます。そこで、ちゃっかり者の言葉は信じすぎないようにしましょう。
たとえば、ちゃっかりした人は何かにつけ、自分は動かずに他人を動かそうとします。演技もうまいので、嘘をつかれても思わず真に受けてしまいかねません。
職場でよくあるのが、忙しいフリをして雑用を押し付けてくるパターンです。先輩が「用事があるから代わりにやっといて」と言い残し、デスクを離れてどこかへ行ってしまう例を考えましょう。
先輩から「用事がある」と言われると、素直な後輩は思わず真に受けてしまいます。「忙しい先輩を助けてあげなければ」と思ってしまうのです。
しかし、頻繁に雑用を押し付けられるようになると、仕事に支障が出てしまいます。たまになら手伝ってあげても良いですが、当たり前になってしまうと辛いものがあります。
しかも、先輩が本当に忙しいとは限らないのです。デスクを離れたまま、たばこを吸いに行っているだけの可能性もあります。演技がうまいので、素直な後輩は先輩の嘘を見抜けません。
そこで、後輩としては一度、先輩にどんな用事があるのか詳しく聞いてみるべきです。先輩の言葉が本当か嘘かは保留しておいて、内容を詳しく確認してみるのです。
いくら先輩の演技がうまいといっても、説明を求められるとボロが出るはずです。先輩の説明に違和感を感じたら、次からは「自分も忙しい」と正直に言うようにすると良いでしょう。
先輩の嘘を非難するのではなく、先輩の言葉をいったん受け入れたうえで自分の都合も主張するのです。嘘をつく人を助けるために、自分のことを犠牲にする必要はありません。