上司という存在は、部下にとって影響力のある存在です。イメージとしては、人格・知識・経験に優れている人であり「いつかこうなりたい」と思う理想の人でしょう。
しかし実際に社会に出てみると、すべての上司が尊敬できる人ではないことを知ります。上司が尊敬できないと、仕事の目標まで絶たれる気持ちになりますよね。
でも、上司が尊敬できないからといって、すぐに仕事を変えるのは避けましょう。転職先の上司が必ずしも尊敬できるとは限りません。
まずは自分なりにできることを可能な限り試してみてください。意識や行動を変えるだけで、上司への見方や考え方も変わってくるでしょう。
今回は尊敬できない上司との付き合い方を紹介するので、ぜひ参考にしてください。
尊敬できない上司との付き合い方とは?転職した方がよいの?
同じ職場の先輩や同僚に相談してみる
あなたの中には、上司が尊敬できないことで不信感が出てきているでしょう。その気持ちが悶々としてストレスにもなっているはずです。
自分だけで処理をしようとすると偏った考えしかできなくなります。そのためうまく上司と付き合えないまま時間だけが過ぎてしまうのです。
そこでさまざまな人の意見を聞くようにしてください。同じ上司を持つ職場の先輩や同僚に相談をしてみましょう。
あなたが尊敬できないだけなのか?
他の人も同じような気持ちを抱えているのか?
これも大きな問題です。もしかするとあなたが知らない上司の尊敬できる部分があるかもしれません。先入観や固定概念で上司の上辺だけを見ている可能性もあります。
同僚や先輩が上司の良い部分を教えてくれることで、見方を変えることができるでしょう。改めて上司を見直すきっかけになります。
他の人も同じように不信感を持っているのであれば、対処法を心得ているはずです。気持ちの処理の仕方を聞くことで、自分の気持ちの割り切り方を知ることができるでしょう。
また同じ気持ちの仲間がいるというだけでも、ストレスは軽減されますよね。上司の不満や愚痴を一緒に共有することで、一人で抱え込むことはなくなります。
ただ注意点として、信頼できる同僚や先輩のみに相談すること。そして悪口ではなく、悩み相談として話しを聞いてもらうようにしましょう。
不特定多数の人に上司の悪口を流しているという噂が出ないように気をつけてください。
尊敬できない部分を書き出す
あなたにとっての理想の上司とはどのような人でしょうか。まずは理想の上司の条件やメリットを書き出してみましょう。
そのうえで、上司の尊敬できない部分を隣に書いてみてください。そして尊敬できないことで自分に与えるデメリットも書いてみましょう。
さて、二つを比較したときに何か大きな差が見つかるでしょうか。実は大抵の場合、大きな差はないのです。メリットもデメリットも大きな影響があるものではないことに気がつきます。
ここで一般的に考えられる「理想の上司」と「尊敬できない上司」について比較してみましょう。
- 【理想の上司】
- 仕事の指示が的確
- 部下の責任をとってくれる
- 愚痴や悩みを聞いてくれる
- 仕事をスムーズに進めることができる
- 尊敬できる上司を目標にできる
- ストレスなく仕事ができる
【メリット】
- 【尊敬できない上司】
- 部下への指示が不明確・不適切
- 自己中心的で話を聞かない
- 部下のミスを自分の責任にしない
- 仕事の進みが悪くなる
- 士気が下がる
- 存在がストレスになる
【デメリット】
このようなメリットとデメリットが考えられます。しかし考えてみると、メリットもデメリットも大したことではありません。
すべては自分の仕事方法や意識によって改善できるものですよね。絶対的に何かを大きく変える必要がないことに気がつきます。
尊敬できない上司のデメリットを一つずつ対処できる方法を考えてみましょう。
仕事の進みが悪くなる
上司の指示が悪いのであれば、率先して自分で何が正しいのか考える力をつけるようにします。また不明確なことは、明確になるまで質問するように心がけましょう。
士気が下がる
上司が尊敬できないのであれば、他に目標を作れば良いのです。上司だけが仕事のすべてではありません。仕事の具体的な目標や会社外でも目標になる人を見つければ良いです。
存在がストレスになる
上司という存在を大きく考えているのでしょう。あまり気にせずに前向きなモチベーションにすることで、上司の存在くらいストレスにならなくなります。
このように考えてみると、解決できるデメリットの方が多いものです。一度冷静になり、客観的に分析をしてみてください。
反面教師だと思い上司に感謝する
反面教師という言葉は、中国でできたものです。悪事をはたらいたり誤りを犯すことで、逆に人民に正しい自覚をうながします。
例えば、兄弟であれば『弟』の方が臨機応変で器用に育つことが多いですよね。これは兄を見て育ち教訓を得ているからです。
『こうしたら怒られる』
『こうしたら失敗する』
と悪い部分を反面教師にしながら学んでいるので、成長のスピードも早いでしょう。
そこで尊敬できない上司のことも、反面教師として学べるツールだと考えてみてください。自分を成長させてくれ、自分の身代わりに悪事や誤りを見せてくれる有難い存在です。
そう考えると存在の意味がありますよね。尊敬できない上司がいてくれる限り、あなたは反面にして仕事をしていく癖がつくのです。
尊敬できる上司などいないと割り切る
尊敬できる上司がいるという人は、実はとても少数です。現実には、なかなか理想の上司に巡り合うのは難しいことでしょう。
ドラマや漫画で出てくる上司というのは、作られた上司です。実際は仕事の追い込みや疲れもあるので、上司だってストレスを抱えていますからね。
つまり上司に期待してはいけないのです。期待するからこそ裏切られた気持ちになり、不満を感じてしまうのでしょう。そもそも期待しなければ、上司がどんな人であっても何も感じないはずです。
仕事をするうえで大切なのは、上司ではありません。仕事そのものです。あなたが仕事をこなして、目標を作ることでやりがいになります。
あなたの理想や期待、それに目標ややりがいを上司に託してはいけないのです。そう割り切ることで上司の存在は関係ないと思えるようになるでしょう。
気持ちをはっきりと伝える
人は、自分に自信を持って生きているわけではありません。しかし少なからず間違っていないという信念のもとで生きているでしょう。
上司も同じです。上司として自信はないかもしれませんが、間違っているとは思っていないかもしれません。だからこそ誰かが言わない限り、上司は何も変われないのです。
「上司とは尊敬できるものだと思う」
「尊敬できないのですが、どうしたらいいですか?」
このように一度腹を割って話してみましょう。上司は寝耳に水でとても驚くはずです。そして自分の言動が間違いだったことに初めて気づくことができるでしょう。
ただし腹を割るには、相当の覚悟も必要です。上司に対して歯向かうことにもなります。すぐに訂正や謝罪をするくらいの気持ちであれば、やめておいた方が良いでしょう。
もし転職も視野に入れているほど覚悟ができているのであれば、最後の望みをかけて伝えてください。上司が反省してくれることに期待してみると良いですね。