自分のことで頭がいっぱいになっている
恩着せがましい人が「他人の気持ちに軸を置いた行動」を取るのは、他人から良く思われたいからです。他人に親切にするのは、自分が親切な人だと思われたいからなのです。
他人からどう思われるかばかり気にしていると、自分のことで頭がいっぱいになります。他人の気持ちに軸を置いた結果、他人のことを考える余裕がなくなってしまうのは、実に皮肉なことです。
たとえば、近所で有名になるくらい世話焼きな男性がいるとします。リサイクルや掃除など、地域の仕事を積極的に買って出てくれます。
それだけならとても素晴らしいのですが、恩着せがましいところもあるので少し煙たがられています。
ある日、世話焼きな男性がゴミ捨て場の掃除をしました。ゴミがカラスに荒らされていたので、収集車が来る前に片づけたのです。
掃除が終わると周囲の家を訪ねて、ゴミ捨て場の状況を説明しました。
「今朝、ゴミがカラスに荒らされてました。ゴミの出し方には注意してくださいね」
説明を受けた側は、犯人扱いするような言い方に不満を感じます。しかし掃除をしてくれたことは素直にありがたかったので、お礼の言葉を伝えました。
一方、世話焼きの男性は内心で(これだけ世話してるんだから、もっと感謝してくれてもいいだろ)と思ってしまいます。犯人扱いするような言い方をしたことの反省はありません。
「地域の人たちからもっと感謝されたい」という気持ちで頭がいっぱいになるあまり、他人への言葉遣いに気が回らないのです。
世話焼きの男性は、地域のために素晴らしい行動を取っています。しかし「もっと感謝されたい」という思いが強すぎるせいで、地域の人たちから煙たがられてしまうのです。
恩着せがましい男の特徴・心理とは?付き合う前に知っておきたいこと
ネチネチ過去のことを掘り返す
恩着せがましい男性と付き合うと、過去のことをネチネチと掘り返してくるところが面倒です。
恩着せがましい人は、何をするにも相手のリアクションが目的になっています。人に親切にするのは、相手から感謝されることが目的です。
そのため恩着せがましい男性は、彼女に親切にするときは「お礼してもらうこと」を強く意識しています。彼女からお礼をしてもらわない限り、終わったことにすることができないのです。
たとえば、デートの待ち合わせ場所を彼女が間違えて、彼氏に迷惑をかけてしまったことがあるとします。彼氏は遠くまでクルマを出して、彼女を迎えに行ってあげました。
もちろん彼女はとても感謝して、心からお礼の言葉を言いました。しかし彼氏は、何かお返しをしてもらうことまで期待していたのです。
彼女から何かお返しをしてもらうまでは、「クルマを出した件」が彼氏にとって終わりになることはありません。彼女にとっては過去のことでも、彼氏にとっては現在進行形なのです。
したがって、彼氏はいつまでも「クルマを出した件」をネチネチと掘り返し続けます。しつこく過去にこだわる男性が苦手な女性は、恩着せがましい男性を避けるのが無難です。
プライドが高いナルシスト
恩着せがましい男性には、プライドが高いナルシストなところもあります。人からのお礼にこだわり続けた結果、「自分にはお礼してもらう価値がある」という思考回路になっているからです。
先ほど例に挙げた「クルマを出した件にこだわる彼氏」を題材にして考えてみましょう。
期待したようなお返しをしてこない彼女に対して、彼氏は強い不満を感じています。そして彼氏の不満は、やがて「彼女から軽く見られている」という思いに変わっていくのです。
彼氏は「自分にはお礼をしてもらう価値がある」と考えています。にもかかわらず彼女がお礼をしてくれないということは、それだけ軽く見られているという発想になってしまうのです。
その結果、過去の「クルマを出した件」を掘り返すのみならず、「俺を軽く見ているだろ!」などと逆ギレまで始めてしまいます。
彼女としては、すっかり忘れていたような過去の出来事を掘り返され、しまいには逆ギレまでされる始末です。恩着せがましい男性と付き合うと、非常に面倒なことになるのです。
恩着せがましい人への対処法とは?
自分からは関わらない
恩着せがましい人の思考回路は、長年の習慣によって凝り固まっています。そのため、恩着せがましい人の考えを変えるには、非常な困難が伴います。
したがって現実的な対処法としては、関わらないようにするのが一番です。
恩着せがましい人が何を考えているかは、あえて気にしないようにしましょう。恩着せがましい人の欲求に応えようとしても、きりがないからです。
社交辞令ていどのやり取りをするにとどめて、次第に距離を置いていきましょう。愛想悪く接して呆れられるくらいが、ちょうどいい距離感です。
お礼や感謝を伝えない
むやみにお礼や感謝を伝えないというのも、恩着せがましい人から距離を置くためのポイントです。恩着せがましい人にお礼や感謝を伝えても、満足してもらえることはないからです。
へたにお礼や感謝を伝えると、むしろ恩着せがましい人の欲求をエスカレートさせてしまうことになります。「もっとお返しをしてくれ」という気持ちにさせてしまうのです。
したがって、恩着せがましい人から親切にされたとしても、そっけないくらいの対応を心がけましょう。良心は痛みますが、まともに相手をして振り回されるよりはるかにマシです。
たとえば、頼んでもいないのに余計な世話を焼かれたという場合、「失礼かな?」と不安になるくらい簡単なお礼だけで大丈夫です。深入りしないことを意識してください。
可哀想な人だと思う
恩着せがましい人は、少し歪んだ価値観の下で生きています。そのため、まともに向き合うと傷つけられてしまうことが多々あります。
たとえば、恩着せがましい人に仕事を手伝ってもらうと、与えられた以上の見返りを要求されてしまいます。
いつまでたっても「あのとき仕事を手伝ってあげたよね」と掘り返されます。弱みを握られているかのような感覚になってしまいます。
そこで、恩着せがましい人のことを「可哀想な人だ」ときっぱり切り捨てることが必要になります。何か嫌なことを言われても、恩着せがましい人のほうが間違っていると割り切りましょう。
恩着せがましい人は異常なほど見返りを求めてくる
今回は、恩着せがましい人の特徴や心理について詳しく見てきました。また、恩着せがましい男性と付き合う際の注意点や、対処法についても紹介しました。
恩着せがましい人は、異常なほど見返りやお返しを求めてきます。そのため、対等な関係を結ぶことがとても難しくなってしまいます。
恩着せがましい人に振り回されてしまう前に、うまく距離を置くように心がけてください。