人当たりのいい人が「腹黒い」と思われる理由
人当たりのいい人は素晴らしい特徴を持っています。誰も嫌いにならないように思えます。しかし実は「裏で何を考えてるかわからない」「実は腹黒そう」などと嫌われてしまうことがあるのです。
人当たりのいい人はとても素敵な性格なのに、なぜ嫌われなければならないのでしょうか?理由は、人当たりがいい人の中に「ニセモノ」が混じっているからです。
たとえば、一見とても愛想がよくて好感も持てるのに、よく見ると目が笑っていない人がいます。人当たりがいい「フリ」をしているだけで、裏の本心が表情に出てしまっているのです。
表面的には人当たりがいいように振る舞っているので、周囲は心を許してしまいます。しかし、ふとしたきっかけで裏の本心を見せることがあります。
普段は明るく楽しい人なのに、ある日突然険しい表情で誰かの陰口を言ってきます。普段の人柄からは、とても想像できない豹変ぶりです。
人当たりのいい「フリ」をしている人が見せる突然の豹変は、目の当たりにした人を恐怖に突き落とします。あまりの恐怖から、人当たりがよく見える人を一切信用できなくなってしまいます。
すると、本当に人当たりがいい人のことまで、「実は腹黒いんじゃないか」と疑ってしまうようになるのです。
ホンモノとニセモノは何が違う?
では、心の底から人当たりがいい「ホンモノ」と、人当たりがいい演技をしているだけの「ニセモノ」は、何が違うのでしょうか?
本当に人当たりがいい人には、裏表がありません。根底に「どんな人とも楽しんで会話したい」という気持ちがあるからです。
「人と接するのが好き」という感情を大事にして、素直に行動しています。行動原理がとてもシンプルなので、人によって態度を変えることもありません。
たとえば、無愛想な反応しか返さない人がいても気にしません。「せっかく愛想よくしてあげたのに」などとは思いません。好きでやっていることだからです。
反対に、人当たりのいい「フリ」をしている人は、素直な感情を封印しています。周囲にいい印象を与えるために、あくまでも義務感から人当たりがいい「フリ」をしています。
嫌々やっていることなので、ついボロが出てしまうことがあります。胸の内に隠していた陰口を、つい言ってしまいます。すると周囲からは、裏表のある人だと思われてしまいます。
結論としては、自分の気持ちに素直かどうかが、「ホンモノ」と「ニセモノ」の違いだと言えます。
「ホンモノ」の見分け方
では、本当に人当たりがいい「ホンモノ」を見分ける方法について考えてみましょう。
本当に人当たりがいい人は、自分の気持ちに素直です。人に対して愛想よく振る舞っているのも、好きでやっていることなのです。とても自然な愛想よさです。
たとえば、本当に人当たりがいい人は、苦手な相手がいることを隠しません。「あの人、なんか苦手なんだよね」と、率直に認めます。
ただ、悪口は言いません。嫌いなわけではないからです。楽しく会話したいのに、できないことを悩んでいるのです。
反対に、人当たりがいい「フリ」をしている人は、自分の気持ちを押し殺しています。嫌々愛想よくしているだけなので、振る舞いがぎこちなくなります。
苦手な相手がいることは、必死に隠そうとします。本性を見破られたくないからです。
ただ、あくまでも演技でしかないので、いつかボロが出ます。思わず陰口を言ってしまい、周囲から信用されなくなってしまいます。
苦手な人への態度を観察すれば、本当に人当たりのいい人を見分けることができるのです。
人当たりがいい「フリ」① ただのイエスマン
次に、人当たりのいい演技をしているだけの「ニセモノ」の具体例についても見ておきましょう。
まず、他人との対立を避けることしか考えない「イエスマン」タイプの人がいます。たとえば上司や同僚に対して絶対にノーと言わず、自分の考えを表に出さないようなタイプです。
「イエスマン」タイプの人は他人の考えを否定しないので、一見すると人当たりがいいように見えます。ただ、本心ではどう思っているかわかりません。
本心を隠して演技をしているだけなので、普段から無理をしています。演技をするのにも限界があり、つい本心をばらしてしまうこともあります。
いつもイエスとしか言わない人のことを、人当たりのいい人と誤解しないように注意しましょう。
ちなみに、本当に人当たりがいい人は、一時的な対立を恐れません。意見の違いを下手に誤魔化せば、逆に信頼関係を壊してしまうと知っているからです。
人当たりがいい「フリ」② 裏表の激しい人
また、裏表の激しい人にも注意が必要です。演技と本音をうまく使い分けるので、注意しないと利用されてしまいます。
たとえば、職場で誰からも頼りにされるベテラン女子社員が、目を付けた新入りにだけウラの顔を見せる場合があります。目を付けた新入りには、本性を見せても大丈夫だと踏んでいるのです。
新入りは、ベテラン女子社員の仕事ぶりを見て「なんて人当たりがいいんだ」と尊敬しています。一方ベテラン女子社員は、新入りに信用されていることを悪用します。
目を付けた新入りと二人きりになると、「あなただけにしか言わないんだけど」と前置きして、職場の誰かの陰口を言います。新入りは、自分だけが特別扱いされたと錯覚してしまいます。
ベテラン女子社員は徐々に新入りを飼いならし、時には理不尽な要求をするようになります。気づいたときには、新入りはベテラン女子社員との関係から抜け出せなくなるのです。
裏表の激しい人は、人当たりがいいオモテの顔のウラに、とんでもない悪意を隠していることがあります。近づきすぎないように注意しましょう。
「人当たりがいい人」と付き合うメリット