見た目や雰囲気に騙されない
ちゃっかりした人は、どこか憎めない雰囲気を持っていることがあります。自分勝手なことをしても、周囲にはそう思わせない不思議なオーラがあるのです。
しかし、憎めないからといっていつも言いなりになってしまうと、振り回されて消耗してしまいます。そこで、憎めないキャラのことはいったん忘れて、状況を冷静に振り返る必要があります。
たとえば、甘え上手の後輩が職場にいるとしましょう。仕事に慣れていないことを言い訳に、何かと頼ってきます。月末の忙しいときにも、初歩的な書類の作成を手伝ってもらおうとします。
普通なら腹が立ってもおかしくない自分勝手ぶりなのですが、甘え上手なので不思議と頼みを聞いてしまいます。もっとも、頼みを聞き続けるにも限界があります。
そこで、後輩との関係性のことはいったん忘れて、今の状況を冷静に俯瞰してみるべきです。「可愛い後輩を助けてあげたい」といった気持ちは、いったんわきに置いてしまうのです。
すると、後輩の将来が心配になってくるはずです。いつも甘やかしてしまっているので、このままでは後輩が成長できないということを、冷静に考えることができるのです。
このままでは後輩のためにならないと気づくことができれば、後輩に対する態度がおのずから決まってきます。あえて突き放して、後輩自身に努力させるよう仕向けるべきなのです。
どうも憎めないちゃっかり者に対しては、いったん冷静になってみましょう。そうすれば、見た目や雰囲気に騙されずに適切な対応を考えられるようになります。
嫌味を言ってみる
困ったちゃっかり者に対しては、嫌味を言ってみるのも効果的です。
というのも、ちゃっかりした人は人間関係を器用に立ち回ろうとします。そのため、周囲からちゃっかり者だと見られているとは考えていません。周りにはバレていないと思っているのです。
そこで「ちゃっかりしてるね」と嫌味を言うと、とても効果があるのです。まさか周りにバレているとは思っていないので、嫌みに対してかなり動揺するはずです。
たとえば、よく飲み会を開く友人グループの中に、いつも飲み代を立て替えてもらっているちゃっかり者がいるとしましょう。
本人はお金を立て替えてもらうにあたり、タイミングをうまく見計らっているつもりです。まさか周囲に悪い印象を与えているとは少しも思っていません。
そのため「お前いつもちゃっかりしてるな」のように嫌味を言われると、思いのほかダメージを受けてしまいます。お金をたかるような振舞いの恥ずかしさに気づかされてしまうのです。
普通の人から見ると、当たり前のようにちゃっかりと自分勝手に行動している人は、倫理観が欠けているようにも思えます。しかし、自分の恥ずかしさに気づいていないケースが大半です。
思い切って嫌味を言ってみると、意外なほど行動を改めてくれる可能性が高いのです。
人の振り見て我が振り直す
ちゃっかりした人に困っているときは、あえてちゃっかり者のことを観察してみるのもおすすめです。反面教師として観察することで、周囲からちゃっかり者と思われないための対策を練るのです。
人間は、自分に対してはどうしても甘くなってしまうものです。他人の自分勝手な振る舞いには憤慨しても、自分が同じような言動をすることにはつい鈍感になってしまいます。
たとえば職場で、ちゃっかり者の後輩に振り回されているとしましょう。しかし、自分自身も先輩に対して同じような行動をしている可能性があるのです。
ちゃっかり者の後輩に対しては、「なんて自分勝手な奴だ」と腹が立つことでしょう。しかし、自分も先輩から同じように思われている可能性があるとしたら、恐ろしくなってきませんか?
そこで、後輩のことを反面教師として観察するのです。簡単な仕事なのに手伝ってもらいたがったり、TPOを考えずに絡んできたりする様子を改めて観察できるはずです。
後輩の言動が観察できたら、自分も先輩に対して同じようなことをしていないか振り返ります。後輩を反面教師として利用することで、自分の言動を客観的に振り返ることができるはずです。
お互いに利用する
どうにも対処のしようがない困ったちゃっかり者に対しては、お互いに利用してしまうという最終手段があります。
確信犯で自分勝手な言動を繰り返すちゃっかり者は、立ち回り方も器用です。人間関係のバランスをとるのも上手なため、対抗手段をとるのは簡単ではありません。
そこで、いっそ割り切ってしまいましょう。ちゃっかり者に利用されているのなら、同じようにちゃっかり者のことを利用し返してしまうのです。
たとえば、若い正社員が年配のパートさんをこき使っているという場面を考えてみましょう。
正規と非正規の立場の違いを利用して、若い社員が年配のパートさんに力仕事ばかりさせているとします。
若い社員が自分の仕事に一生懸命取り組んでいるなら良いのですが、パートさんに力仕事をさせるかたわらサボってばかりいます。しかも、上長にバレないようにしてこっそりサボっています。
上長からは若い社員も一生懸命仕事をしているように見えるので、パートさんとの間にある不公平に気づくことができません。立ち回りが上手な若い社員を出し抜くのは難しそうです。
そこで、いっそ若い社員を利用することを考えるのです。まずは、年齢のせいで力仕事がしんどいというアピールをします。「腰や背中が痛い」と言って、周囲の同情を集めます。
周囲が同情してくれる下地を作ったら、いよいよ若い社員への反撃開始です。若い社員が近くを通るたびに、「手伝ってくれませんか」とお願いをします。
すでに周りからの同情を集めているので、若い社員に対する周囲の目が厳しくなっています。もはや、パートさんばかりに力仕事をさせる雰囲気ではないのです。
若い社員はしかたなく、自分で力仕事をするようになります。年齢差をちゃっかり利用するのは本来望ましいことではありませんが、たちの悪いちゃっかり者が相手なら仕方ありません。
ちゃっかりした人は自分の得しか考えていない
今回は、ちゃっかりした人の特徴や対処法について詳しく見てきました。
ちゃっかりした人は、損をすることがないように慎重に考えて行動します。一見すると、とてもしっかりした好ましい人物のようにも思えます。
しかし、ちゃっかりした人の本心は「自分が得をすること」しか考えていません。世渡りが上手そうな見た目に騙されると、厄介ごとを押し付けられてしまいかねません。
今回紹介したことを参考にして、ちゃっかりした人からうまく距離をとるように心がけてください。