上司について考えてみる
怖いというのは、人に与える印象が大きいものです。そのため少しでも恐怖心を抱えてしまうと、上司は怖い人でしかなくなってしまいます。
しかし本当の性格は、怖いというだけではないはずです。その下に埋もれてしまっている、多くの長所があることでしょう。もちろん短所だってあるはずですね。
そこで一度上司の本質について、じっくり考えてみてください。そして長所と短所を紙に書き出してみましょう。
怖さについて
あなたは何を持って、上司を怖いと感じているのでしょうか。
- 言動
- 表情
- 声
- 気性の荒さ
何か怖い要因があるはずです。しかしよく考えてみると怖いと思うのは、何かの一因であり全体を象徴するものではないはずでしょう。
もしかすると雰囲気や噂だけで怖いと先入観を持っているだけの可能性もあります。まずは上司がなぜ怖いのかを自分なりに考えてみてください。
長所を見つける
長所を見つけることで、怖さが和らぐ効果があります。また尊敬の気持ちが芽生えることで、怖さにも意味のあるものだと感じることができるでしょう。
怖いというのは、厳しさでもあります。部下の成長を願うからこその厳しさなのです。まずは怖いというものの見方を変えてみてください。
そのうえで、他の長所にも目を向けてみましょう。実は人一倍に気配りをしているかもしれません。人に見せない優しさもあるでしょう。
良いところがない人なんていないはずです。上司を知る努力をして、長所をたくさん見つけて書き出してくださいね。
短所を見つける
短所というと悪いところを見つけるようですが、弱点を見つける気持ちで探してみましょう。上司にも弱点があると思えば、可愛く思えることもあるものです。
例えば、
- パソコンが苦手
- お酒が弱い
- すぐに言葉を間違える
といったようなことがあります。
このような短所を見ると、ちょっと怖さも半減しますよね。怖いと思っても『どうせパソコンできないくせに』と心の中で思ってしまえば良いのです。上司の短所や弱点を見つけてみてください。
褒めてみる
上司には、上司としてのプライドがあります。きちんと指示をして部をまとめるという役割もありますからね。
もしかすると部下に威厳を出さなくてはいけないと、あえて厳しく尖っているのかもしれません。部下との距離の取り方に悩み、怖く見せてしまう不器用な人もいるでしょう。
そこで尖っている部分を丸くするために、自分から歩み寄ってみましょう。上司の気持ちを和らげることで、怖さがなくなることがあります。
そのための方法としては、上司を褒めることです。
『今日のネクタイ素敵ですね』
『〇〇さんの以前の資料を参考にしました』
『他社の方の信頼があるのはどうしてですか?』
などと、気がついたことを会話の中で褒めていきましょう。
褒められて悪い気がする人はいません。上司も心を開き、あなたに対して丸くなってくるでしょう。そして親しくなることで怖さも減るのです。
ただ『褒める=媚を売る』ことではありません。ここを同一にしてしまうと、上司にも周囲にも悪いイメージを持たれてしまいます。
ここで『褒める=媚を売る』にならない褒め方を具体的に紹介します。
①機嫌を伺うわけではない
媚を売るとは、相手を持ち上げるために機嫌を伺いながら伝える誉め言葉です。ちょっと機嫌が悪いと感じた時に「素敵な髪型ですね」と機嫌取りで伝えるのは避けましょう。
あくまでも会話の中に自然と入れることが大切です。機嫌の良し悪しに関わらず、自分の意志と言葉で褒めるようにしてください。
②具体的に褒める
中身のない誉め言葉は、相手の心を動かしません。そこで褒める時には、事例をあげて具体的に褒めるようにしましょう。
例えば、「〇〇さん、仕事ができて尊敬します」という言葉。あまり言われても嬉しくないですよね。なんとなくフワフワしていて心に響かないのです。
「先日の〇〇さんのプレゼン内容とても感動しました」とい、いつ何に感銘を受けたのか伝えましょう。そうすると具体的で上司にも喜ばれます。
③本当に感じていることを伝える
上辺で褒めると心を感じません。本当に自分が感じたことのみを言葉に出すようにしてください。そうするとストレートに伝わるでしょう。
そこであえて褒めるところはないかと意識してみると良いです。今日の見た目や言動で素敵に感じたことはないかと探してみましょう。
何か見つかれば、それを上司に伝えてください。笑顔で自然に伝えることがポイントです。
自分に原因があると思わないようにする
上司にきつく言われたりするのは、自分に非があるからだと責任を感じる人も多いです。積み重なると自信をなくしてしまうものでしょう。
もちろん同じことでミスをして怒られているのであれば、自分自身にも改善すべきことがあります。怒られない努力をするのも必要なことです。
しかし誰もが萎縮してしまうような上司であれば、あなただけの問題ではありません。これは上司の人間性の問題になることです。
もともとイライラしやすい体質なのか。もしくはプライベートがうまくいっていないのか。威圧的な態度の人なのか。
あなたが怒られない努力をして完璧に対応したところで、何も変わらないのです。つまり自分を責める必要も自信をなくす必要もありません。
あなたには何も問題がないので自信を持ちましょう。『あぁまたイライラしている・・』と他人事のように考えて軽く流してください。
そうすれば上司に萎縮することなく、毎日を過ごせるようになるでしょう。
素直に受け入れる
通常は『上司が怖い』ということに、抵抗を感じたり不満を持ったりしますよね。毎日モヤモヤとした感情を抱えて過ごすことになるでしょう。
このモヤモヤとした原因は、心の中に『疑問』があるからです。
- なぜ上司は怖いの?
- なぜ怒られるの?
- なぜこの人が自分の上司なの?
この疑問が常にあるからこそ、上司のことで頭が埋め尽くされてしまうのでしょう。しかしこれらの疑問はなかなか正解がないので、解決することもありません。
そこで疑問を持たずに素直に受け入れてしまいましょう。『1+1=2』であるように『上司=怖い』という方程式を当然だと思うのです。
いちいち考えなくなることで、上司から意識が離れていきます。そして仕事に集中して取り組むことができるのです。
夏が暑いのも、冬が寒いのも嫌なものです。しかし日本人は、それに疑問を持たずに当然だと受け入れているからこそストレスになりませんよね。
上司が怖いということを自然の原理であると言い聞かせてください。そのうえで自分の仕事をしっかりこなせば良いのです。
失敗しても大丈夫だと言い聞かせる
人は失敗を重ねながら成長していくものです。失敗を恐れていては、何も得るものがないままになってしまいますからね。
- 失敗は成功のもと
- 失敗は成功の母
- 七転び八起き
このように失敗から学ぶことが多いという意味のことわざも多数あります。
「失敗→怒られる→怖い」の定義が心にあるから怖がるようになるのです。失敗するから上司が怖いと、関連付けてしまうのでしょう。
もちろん失敗しないように慎重に仕事をするのは必要なことです。しかし失敗を恐れていては、一生現状維持でしかありません。
怒られることがあっても、それを『怖い』と思うのではなく『バネ』にできるようにしましょう。怒られたことを活かして成長すれば、必ず評価につながります。
失敗して怒られてもいいと腹をくくりましょう。そうすれば怒られることにもビクビクせずに、逆境を乗り越えて大きくなれるのです。