部下が突然辞めるのを防ぐには？

部下が突然辞めることを『ビックリ退職』というのをご存知でしょうか。まさに晴天の霹靂であるような突然の退職表明に驚きを隠せないことがあります。

予測していない退職があると、上司として困ることは多数ありますよね。どうにかして退職の意を阻止したいと思うでしょう。

今回は部下が突然辞めるのを防ぐ方法を具体的に紹介します。部下の退職は上司の管理が問われるものです。ぜひ参考にして防ぐ対策をしていきましょう。

部下が突然辞めると大変な３つのこと

なんの前触れもなく部下が会社を辞めたいと言ってくると、上司としては驚きですよね。なんだか裏切られたような気持ちになりショックを受けることもあるでしょう。

しかし精神的な問題だけではありません。突然会社を辞められてしまうのは、実質的な損害にもなることです。

現在は慢性的な人材不足であると言われています。中小企業だけでなく、大企業であっても人手が足りずに困っている会社は多いでしょう。

とくに優秀な人材である場合は、会社としても大きな損失となります。育ててきた部下に辞められてしまうのは、痛手になるものです。

また人材募集をするのにも費用がかかります。求人広告を出すのも簡単なことではないのです。突然辞められることで、負担する仕事が多くなり大変なこととなるでしょう。

部下に突然辞められてしまうことは、上司の管理不足だと認識されることもあります。部下のことを把握していなかった証拠だと思われるでしょう。

そのため、部下が突然辞めることは上司の評価が下がることに直結します。部下が退職の意向であると気がつけなかったと減点されてしまうのです。

上司は現状いる人材で、今期や来期の予定を立てます。新しいプロジェクトのメンバーを選出したりと、先を見据えて考えていることも多いでしょう。

そこで部下が突然辞めてしまうと、すべてのスケジュールが崩れてしまいます。苦労して考えたことも練り直しになってしまっては大変です。

上司からすると突然の退職表明かもしれません。しかし部下本人は、ずっと悩み続けていたという場合も多いです。

『もう少し頑張るべきか』
『もう少ししたら環境が良くなるか』
『もう少し自分が我慢すればよいのか』

このように『もう少し』を積み重ねて我慢してきたのです。自分の中で葛藤し続けていたのでしょう。それが限界に達したことで退職を申し出たのです。

もしかすると兆候が出ていたかもしれません。しかし表には出さずに、心のうちに秘めていて気がつかない場合もあるでしょう。

つまり『突然』口にしただけであり、実際には『長い間』のことだったということです。頑張り屋の人ほど表には出さないので、気を配る必要があるでしょう。

上司にとってはビックリ退職であっても、部下は準備の集大成であることもあります。仕事を辞めるための準備を水面下で進めていたのです。

そして準備が整ったところで、正式に上司へ退職の意向を伝えます。そのため上司が引き留めても、部下の決意は変わらないのです。

退職は、『2週間前までに申し出る必要がある』と民法で定められています。また一般的な会社の就業規則では『1ヶ月前までに申し出る必要がある』場合が多いでしょう。

つまりビックリ退職とは、前触れがなく2週間～1ヶ月前に部下から退職表明があることです。2週間では引き継ぎもままならないので、とても慌ただしい状況になるでしょう。

この規則ぎりぎりに突然辞めると言い出す部下は、現状に保険をかけている場合が多いです。本当に辞めようとしているのであればもっと前に伝えます。

何かあれば、辞めずに就業しようと考えています。

たとえば、

などがあるでしょう。

自分の中で辞めると伝えてしまうには、まだ不安が残っているような状態なのです。その場合は、不安が解消されてクリアになったところで退職を伝えるでしょう。

退職をするというのは、会社や上司にとってマイナスなことです。そうなると言い出しにくいと躊躇してしまう人も多いでしょう。

退職を伝えると、周囲の目が冷たくなり居心地が悪くなることを恐れているのです。気まずい期間を極力少なくするために、ぎりぎりのところで突然辞めることを伝えることもあります。

上司や周囲からすれば迷惑なことですが、本人は自分のことしか考えていないのです。良い環境で辞めていきたいという願いがビックリ退職につながってしまうのでしょう。

突然辞めると言う部下は、感情的になっている場合もあります。売り言葉に買い言葉のように、頭や心が追い付かないまま『辞める』と口にしてしまうのです。

大きなミスをしたり、上司に怒られたり、同僚と口論をしたり・・。何かあったときに衝動的に言ってしまったようであれば、まだ引き留める余地はあるでしょう。