部下の退職の前兆15選とは?
部下に突然辞めると言われると、上司として困惑することが多いですよね。しかし退職の意志を固めてしまうと何を言っても引き留めるのは難しいでしょう。
もし退職の前兆がわかれば、事前に対策を練ることもできます。そこで部下の根底にある気持ちをくみ取ることができれば、退職を辞めさせることもできるのです。
- 退職したいときに起こる変化は?
- どんな特徴が見られたら退職を考えている?
今回は、部下の退職の前兆について紹介します。退職を考えている人には共通している前兆があるものです。ぜひ参考にして、部下の様子を観察してみてください。
言動に関する前兆
挨拶をしなくなる
社会人の基本となる挨拶をしなくなった場合は、退職の前兆です。挨拶をしないという状況には、二つのことが考えられます。
①意図的に挨拶をしない
一つは『挨拶をしたくない』という精神状況になっている場合です。職場環境に嫌気がさしていて、挨拶すらする気力が出ません。
そのため上司や先輩であっても、あえてスルーをしているのです。『どうせ辞めるし』という気持ちが根底にあるからこそ無視してしまうのでしょう。
②無意識に挨拶を忘れている
もう一つは、挨拶をすることすら忘れている場合です。周囲が見えておらず、すれ違う人を把握していないのでしょう。
挨拶をしないのではなく、自分の世界に閉じこもってしまっているのです。こちらから声をかけると、驚いたような表情で挨拶をしてきます。
目を見て話さない
『目は口ほどにものを言う』というように目を見ているとわかることは多いです。部下が上司に対して、何かしらのモヤモヤとした感情がある場合、目を見て話さなくなるでしょう。
- 不信感をもっている
- 嫌悪感を抱いている
- 後ろめたさがある
- 隠し事がある
このようなことがあると、目を直視できません。話していても視線がずれていたり、視線が定まらずにキョロキョロしてしまうのです。
普段から軽い会話をするように心がけておくと良いでしょう。ある日から目の動きが変わったという異変に気がつくことができるはずです。
愛想がなくなる
愛想とは、相手に良い印象を持ってもらうために感じよく振る舞うことです。機嫌をとったり、好感度を上げるためにも愛想は必要でしょう。
しかし退職を考えていると、愛想がなくなります。無意志に愛想を取る相手ではないと、脳が判断してしまうことがあるのです。
いつも自然と笑顔を作ることができたのに、表情がなくなります。不愛想で感じ悪いと思われるように変化していくでしょう。
もともと愛想のない部下もいますが、愛想のある部下に変化が出たら注意が必要です。日頃から表情や振る舞いなど気をつけて見ておいてください。
職場内でのコミュニケーションが減った
退職を考えている人の心理として、職場の仲間と距離をおくという傾向があります。仲間であった人たちと一線を引き、退職に向けて気持ちを整えているのです。
今まで休憩時間に仲間で過ごしていたのに、急に1人で行動をすることが増えます。ランチも時間や場所を変え、行動を共にしようとしないでしょう。
急にコミュニケーションが減り、仲間と距離をとっているように感じたら要注意です。何か別の場所に行こうとしている意識の表れだと捉えてください。
空き時間に求人サイトを見ている
空き時間に常に携帯やパソコンで何かを熱心に調べていたら、求人サイトである可能性が高いです。今の会社や仕事に向上心が持てなくなり、外の世界に目を向け始めています。
退職を検討するとき、最初におこなうのは転職先を探すことです。次の居場所を確保できてから、退職に向けて本格的に動き出します。
今の時代は求人誌ではなく、ほとんどの人がネットの転職サイトを利用します。何かしらの求人を検索している様子があれば、もう転職に向けて動き出しているという証拠なのです。
急に資格や検定の勉強を始めた
現在の業務に関することであれば、向上心から資格や検定の勉強をする人はいます。しかし業務とは関係のない勉強を始めた場合は、退職の前兆であるでしょう。
まず転職をするということは、中途採用枠に応募することになります。大手企業の場合は、1名の募集でも激戦となることが予想されるでしょう。
そこで強みとなるのは、知識・経験・資格・検定です。中途採用は即戦力を求めているので、高いレベルの人を採用することになります。
だからこそ少しでも自分のレベルを上げて有利に転職できるように準備を始めるのです。関係のない資格や検定に興味を持ち始めた時点で、目標が転職になっています。
今の会社での向上心はなくなっているということになるのです。部下が今何を学ぼうとしているのか気にして見ておいてください。
隠れて私用電話をする頻度が増えた
仕事中に私用電話をする人は増えています。昔では考えられないことですが、現在の社会人であれば、多少の私用電話は当たり前になっているでしょう。
とはいえ、大切な用事をするくらいで頻繁にすることはありません。多くても1日1回ほどですし、毎日私用電話をするような人はいないはずです。
しかし退職を検討している人は、外で新しいことを始めています。転職活動を始めて、企業との連絡を始めている人もいるのです。
そうなると私用電話の頻度が格段に増えます。就業中もちょこちょこと席を立つことがあるでしょう。また休憩中になると、隠れるようにして電話をしている光景を見かけます。
急に私用電話が増えるのは、退職の前兆であり動き始めている証拠でもあります。活動を始めてしまうと手遅れになることもあるので、早めに気がつけるようにしましょう。
愚痴や不満を頻繁に言っている
働いていれば、会社や仕事に対しての愚痴や不満はあるでしょう。マイナスな意見は、信頼できる仲間との飲み会で発散させる人がほとんどです。
しかし転職の意志がある人は、就業中に誰にでも愚痴や不満をぶつけるようになります。それだけストレスが限界にきているのです。
また一度『嫌だ』『転職する』と思うと、余計に現状がマイナスに感じでしょう。不満ばかりが募っていくので、負の連鎖が止まらなくなってしまうのです。
他にやりたいことがあると公言している
転職や辞めたいという意向を隠す部下は多いです。しかし中には、あえてアピールするかのように公言している人もいます。
『本当は他にやりたいことがあって~』
『実は今新しいことに動き出しているんだよね~』
このように自慢するかのように転職の前兆を自ら発信します。このようなタイプは、いわゆる『かまってちゃん』です。
この時点で引き留めれば、まだ気持ちが動くかもしれません。また褒められたいという願望や人とは違うということを訴えたいのでしょう。
もし優秀な人材なのであれば、ここで一声かけて手を打っておくと良いです。ただこのようなタイプは、いつかは転職を実行するタイプなので様子を見ておきましょう。
身だしなみの雰囲気が変わる
急に身だしなみの雰囲気が変わった場合、単なるイメチェンであるかもしれません。しかし、黒いスーツを新調して、髪色を黒くしてきたら転職活動をしている証拠です。
イメチェンであれば、現状よりも派手な方向に変化しますからね。柄や色のついたスーツにしたり、髪色やパーマでお洒落をするはずです。
反対に地味になるように黒スーツに黒髪であれば、転職スタイルとなります。近々面接などが入ってくるということです。
このような場合は、『何かあったの?』『スーツどうしたの?』と軽く声を掛けてみると良いでしょう。そこから部下の動向を把握できることもあります。
遅刻や早退が増える
転職の前兆として、遅刻や早退が増えるということがあります。今まで真面目だった人の就業が乱れてきたら注意しましょう。
この理由の一つとしては、単に働く意欲がなくなっていることがあげられます。朝も気合いが入らずに遅刻をし、就業も面倒になり早退してしまうのです。
もう一つの理由は、転職中で面接が入ってくるからです。中途採用の場合は、書類審査が通った場合のみ急に面接日が決まります。
そのため朝から面接を受けて、午後から出社をするなど調整をすることが増えるのです。リクルートスーツのような身なりで登場したときは、面接をしていると認識してください。
情緒不安定
情緒不安定な面が職場でも見られる場合には、うつに近い症状です。もう仕事が苦痛で精神的な負担になっているのでしょう。
追い詰められている場合は、突然会社に行けなくなる可能性が高いです。また精神から体を崩すことも考えられるので注意が必要となります。
情緒不安定な状態とは、自分で感情をコントロールできないことです。突然泣き出したり、怒りだしたりと感情のふり幅が大きい傾向が見られます。
とくに頑張り屋の人や女性に多くあることなので、無理をさせないようにしてください。少し休暇を与えてあげると気持ちの整理もできるでしょう。
些細なことでも対話を避けてメール
ほとんどの会社が社内メールを導入していたり、部署のLINEグループが存在します。部下は状況に応じて、適切な連絡方法を選択する必要があるのです。
基本的なマナーとして、その場に上司がいる場合は口頭で連絡します。数字が関わることであれば、『データと一緒にメールします』と一言告げるのがマナーでしょう。
ここで退職をしようとしている部下は、小さなことから大きなことまでメールで伝えます。報告も相談も直接ではなく、すべて社内メールです。
部下が余計な話をしたくないと感じている証拠です。また後ろめたい気持ちがどこかにあるということなのでしょう。
直接の報連相がなくなり、ほとんどのことを社内メールで済ませる場合は注意してください。退職の前兆です。
飲み会などに参加しない
職場内でのコミュニケーションが減ることに共通していますが、業務外でのイベント参加がなくなります。飲み会や休日のBBQなどにも顔を出さなくなるのです。
これは転職活動で忙しくなることも理由の一つとなります。帰宅後や休日は、転職するための時間に費やしている人が多いでしょう。
また仲間意識が薄れ、仲良くしても仕方がないという気持ちに傾いているのも理由です。どこかで今の職場を冷めた目で見るようになっているのでしょう。
職場の就業規則を調べている
入社当時に就業規則が配布されるものですが、数年たつとどこかにいってしまいますよね。しかしいざ退職を検討すると、就業規則が必要になってくるのです。
『何日前に退職届を出せばいい?』
『有給の消化はどれくらいできる?』
『辞める場合の給与や賞与は?』
このようなことを急に調べ始めるでしょう。そこで誰かに就業規則はないか聞いたり、人事部に行ったりという行動が見られます。
就業規則を読み返すときは、ほとんどが退職を考えるときです。他にはあまり必要となるタイミングがないので、わかりやすい前兆だといえます。