信用しない
では、姑息な人の行動に困ってしまった場合の対処法について、詳しく見ていきましょう。
姑息な人から明らかな裏切りを受けたという場合は、それ以上信用しないようにするほかありません。敵意をもって裏切り行為を仕掛けてくる人とは、まともに付き合うことなどできません。
姑息な人が弱い立場の人を利用するときは、良心に付け込みます。たとえば「日ごろ世話をしてあげているんだから、これくらいお願いしてもいいよね」などと言って恩を売ってくるのです。
恩を売られた側は、「確かに世話をしてもらっているんだから、それくらいの頼みは聞いてあげないといけないな」と思ってしまいます。良心に付け込まれ、心を操られてしまいます。
したがって、姑息な人から心を操られないようにするには、一切信用しないようにすればよいのです。一度冷静になって、後ろめたさを感じる必要などないことに気づきましょう。
できるだけ関わるのを避ける
姑息な人から利用されると、どこまでも食い物にされてしまいます。
姑息な人は器用に立ち回るので、多くの人からいい印象を持たれています。姑息な人からいいように利用されていることを相談しても、なかなか信じてもらえません。
たとえば、ある女性が、共通の友人グループにいるAさんから、日常的に理不尽な要求をされているとします。Aさんの要求はどんどんエスカレートしていき、女性はほとほと困っていました。
ただ、Aさんは友人グループの中では好人物を演じているので、Aさんの悪行を相談しても誰も信じてくれません。相談すればするほど、グループ内での立場が悪くなっていきます。
対策としては、Aさんと関わるのを避けるしかありません。友人グループ全体がAさんの影響を受けているので、グループごと距離を置くべきです。
友人関係を失うのはつらいですが、そのまま不幸になってしまうよりは遥かにマシです。
上司ならとにかく逆らわない
姑息な人を上司に持ってしまった場合は、とにかく逆らわないことが肝心です。集団内で器用に立ち回る「世渡りスキル」が高いため、下手に対立するとかえって立場が悪くなるからです。
たとえば、姑息な上司から手柄を横取りされてしまった場合を考えましょう。たしかに、そのまま泣き寝入りするのは腹が立ちます。
しかし、姑息な上司はとても器用に立ち回っています。職場の誰もが、上司の手柄だと信じて疑いません。部下が一人反論したところで、「おかしな奴だな」と一蹴されて終わりです。
会社に残って仕事を続けようと考えているのなら、直接対決するのは望ましくありません。上司がいつかボロを出して自滅するのを待ちましょう。
社内に味方を増やしておく
姑息な上司と直接対決するのは得策ではありませんが、社内に味方を増やす努力をするのは有効です。味方が増えれば、上司のことを疑う人が現れる可能性が出てくるからです。
たとえば営業部員なら、事務仕事をしていて分からないことがあれば、管理部門の役職者に対して熱心にアドバイスを仰ぐのです。経理処理について疑問点があれば、経理課長に質問しましょう。
TPOをわきまえて礼儀正しく、熱心な態度を示せば、経理課長は「なんて勉強熱心なやつだ」と感心してくれるはずです。部署を超えて味方を作ることができます。
管理部員なら、営業部員と接触して仕事の話を聞いてみましょう。苦労話を引き出して、共感した気持ちを伝えることができれば、それだけで信頼関係を作れます。
「管理部のあいつは、意外と話が分かるやつだよ」という評判が少しずつ広まり、味方を増やすことができます。
部署を超えた味方の存在は、強力な武器になります。いつか味方の中から、上司の姑息な面に気が付く人が現れるはずです。
あまりに理不尽な仕事のふりが続けば転職を考える
上司の姑息さがあまりにひどい場合は、会社自体が組織として機能不全に陥っている恐れがあります。会社が自浄作用を失っている可能性があるからです。
姑息な上司に逆らわず、少しずつ味方を増やしていくという戦略は、会社の自浄作用が期待できる場合に有効なものです。自浄作用がない会社だと、いつまで待っても変化はありません。
会社の中に、問題の上司以外にも姑息な人がいないか、よく観察してみましょう。姑息な人がたくさんいるような会社は、組織として健全ではありません。
また、姑息な人がたくさんいるような組織に身を置き続けると、自分も同じような考え方になってしまいます。そうなる前に、転職を検討しましょう。
ただ、転職活動の際には、転職理由に前職での人間関係を挙げるのは歓迎されません。「姑息な人ばかりの会社が嫌になった」という本音とは別に、前向きな転職理由を考える必要があります。
姑息な人にならないために