結婚生活は、いわば他人との共同生活です。
いくら愛し合い信頼している相手との生活とは簡単ではありません。それまで過ごしてきた環境がまるで違う二人が一緒に生活をすることになると、多少のずれは必ず生じてきます。
その違いは時にうれしい発見であり、二人の結婚生活にとってプラスになることもありますが、マイナス面もあります。
最初は何とも思わなくても、だんだんと違和感を覚える場合もあります。その違和感が少しずつ苦痛になっていってしまうこともあるのです。
本当に小さなことから始まります。けれど、気付いた時には耐えきれないほどの苦痛になってしまうのです。
ここでは、そんな苦痛が発生する理由と対処法をお教えします。現在も結婚生活に苦痛を感じている場合は、ぜひ参考にしてみてください。
結婚生活が苦痛になる理由と対処法とは?
一緒に住んでみたら彼の嫌なところが見えてきた
それまで一緒に暮らしていなかった場合、お互いの生活スタイルに関しては見えなかったものがたくさんあります。長い付き合いがあった場合もそれは同じです。
ほんのささいなことでも一度目についてしまうと、どうしても気になってしまうものです。小さいことであればなおさら、自分の中に不満が溜まっていってしまいます。
お風呂後に水をかける、トイレの蓋をあけっぱなしにする、ソックスを裏返しにして洗濯機に入れるなど、心当たりはありませんか?
こういった無意識の中での行動は、習慣としてその人に染み付いたものです。気になっても一度言っただけではなかなか改善されず、今度は言うことが苦痛になります。
そして、気になったまま改善されずに、結婚生活が苦痛となってしまうのです。
彼の母親と比較してくる
愛情たっぷりの家庭で育ち、親との仲も良好な男性に優しい人が多いのは事実です。しかし、逆に言うと親との生活に対して満足している気持ちが強いことも確かです。
そういった場合、無意識のうちに自分の母親とあなたを比較して、自分の母親に似せようとします。これまでの心地よい環境にしようという意識が働くのです。
比較されることは料理の味付けや洗濯物の畳み方などが多いことも特徴です。これでは、自分を否定されているような気になってしまいます。
女性にとって苦痛以外のなにものでもありませんね。あなたは母親ではなく妻であり、新しい二人の家庭であることをきちんと認識してもらわねばなりません。
しかし、彼の中での理想の妻、母親というのは実母であり、その他の身近な存在を知りません。そして自分が育った環境を作ってきてくれた人であるからこそ、なかなか抜け出せません。
苦痛はどんどんたまってしまいます。
新婚生活になれていないだけかも
結婚するまでは、実家で家族との暮らしや一人暮らしをしていることでしょう。実家にいれば家事をする必要はありませんし、ひとり暮らしは気ままなものです。
しかし、結婚生活はそうはいきません。外に働きに出ていても、共働きであればのさら協力して家のことをしなければなりません。
健全な生活を送ろうとすると、一人暮らしほど気ままな生活もできません。いままで経験したことのない結婚生活、すぐに軌道にのせることは難しいでしょう。
最初はお互いに家事の分担などができず、ストレスも溜まってしまいます。
そして、彼が気付かない部分をあなたが補う形となり、それが苦痛となってしまうのです。彼も仕事で疲れているなどと理由をつけ言い訳をすることも。より苦痛が押し寄せるでしょう。
対処法とは?
彼に期待しすぎない
苦痛や気持ちがしんどくなってしまうのは、彼に期待していることが原因です。やってくれるはずと思っているからこそ裏切られた気持ちになり落胆してしまうのです。
人は簡単には変わることが出来ません。時間も根気も必要です。ただ、人を変えるのは難しくても自分を変えていくことは環境に変化をつける近道となります。
最初は出来なくて当然。気が付いた人がすればいいといった大らかな気持ちを持ちましょう。出来ていないところを見つけても怒ったりせず、できるだけ優しく伝えましょう。
そうした日々の生活を心掛けると、次第に気持ちが楽になり、苦痛に思っていたことも気にならなくなってきます。
気になって注意するときも感情的にならずにすむので、より一層の改善が期待できます。
目をつむる努力をする
先の内容でもお伝えした通り、人は簡単には変わることはできません。むしろ、自分の行動を指摘されると感情的になってしまい、なかなか変えられなくなっていきます。
あなたから見て、気になるところはすぐに見つかりますが、意外と良いところも隠れているかもしれません。ただ、目を向けることが出来ていないだけなのです。
もし、彼の行動の中で一つでも家庭に対する気配りがみえたら、まずは感謝の気持ちを持ちましょう。そして、本当は直してほしいことにいったん目をつむる努力をしてみましょう。
「ここはまだだけど、こっちはやってくれる」。そう思えることで彼に対する気持ちもかなりかわってきます。何もできない、変わらない彼に見えてくることは次第になくなっていきます。
ゆずれない部分があるなら話し合う
これだけはゆずれない、目をつむってあげられない部分はあるでしょう。その時は我慢せず、きちんと話し合って解決するべきです。
話し合うことは体力のいることですし、彼も指摘を受けることでしんどい思いをします。けれど、そのままにしておくことは結婚生活においてはタブーです。
言わなくてもわかってほしい気持ちがあるかもしれませんが、言わなければ彼には伝わりません。
何も言わないと、彼はあなたが何に対してストレスを感じているかわからずのままになってしまいます。彼にも、どうすることもできません。
後々で大きな喧嘩の発端とならないように早めに解決をしましょう。その時、感情的になって話すと伝わりません。きちんと伝えたい内容を冷静に聞いてもらうことが大切です。
とりあえず耐えてみる
何回伝えてもダメな場合は、時間が解決してくれるのを待つしかありません。根気のいることですが、すぐに改善されないことに対して苦痛を感じていてもしんどくなるだけです。
これまでの習慣を変えることは、誰でも簡単にできることではありません。努力しても、すぐには変えることのできないものもあるのです。
耐えてみても、苦痛がいつ改善されるのかはわかりません。5年後、10年後、もしくは20年後かもしれません。
耐えて、見送って、忘れた頃に一言声をかけてみる。それくらいの気持ちで苦痛に感じることに向き合っていくことがあなたの気持ちを軽くするコツです。
時間が解決してくれるだろうと決めたことに関しては、改善されなくてもしょうがないくらいの気持ちで見守りましょう。
結婚生活が苦痛になるのは彼への期待から
いかがでしたでしょうか。
結婚生活は、他人と一緒に暮らしていくと決めた共同生活です。家族ですが、家族になるまでの環境の違いから、最初はだれでも衝突し、習慣の違いに戸惑います。
まず、誰でも起こることだということを念頭におきましょう。そして、人は簡単に変わることはできない、人を変えようとするとうまくいかないことも覚えておきましょう。
このことを知っておくだけでも、気持ちがずいぶん楽になります。彼に対しての過剰な期待をすることもなくなるでしょう。過度な期待は彼にプレッシャーを与えてしまうことにもつながります。
それでも、苦痛に思うことはあります。そんなときは信頼できる人に相談したり、彼を信じて悩みを打ち明けることで解決していきましょう。